本物と偽物

「ブランド品の偽物」事件はあとを絶たないが、最近「縫い糸にブランド名」をレーザー光線を使って印刷する技術が開発されたそうだ、衣料品は勿論、バッグなども縫い付け部分は必ずある、その縫い糸一本一本に「ブランド名」が印刷されているので、特殊な拡大鏡(?)などがいるのだろうが、素人でも判断できることになる。

ブランド品などは「本物と偽物」を区別することに意味があると思うが、こと芸術となると多少話が変わってくる、確かに美術品などは「本物」と「贋作」とがあり「贋作」はあくまで模倣であり「本物」ではない、音楽などは如何だろう。クラシック音楽などの「本物」の定義とは何であろうか?

現代音楽についてはそれぞれ作詞家、作曲家がおり、それをプロのミュージシャンが演奏してCDなどで発売する。それを「本物」と定義して良いと思う、しかしクラシック音楽などは作曲家は今は存在しないし、色々な演奏家なり指揮者がCDとして発売する。

私は「定義」は明確に初めて聞いた演奏が「本物」である。例えば、初めて聞いたチャイコフスキーの「悲愴」が外山雄三名フィルであったとして、そのあとでべームのベルリンフィルのそれ聞いても「何か違うぞ」と思ってしまうのではないだろうか。(名フィル外山雄三を決して貶(けな)しているわけではない、「悲愴」は彼の好きな曲というだけあってなかなかすばらしい演奏であったと記憶している)。