ICタグ(RFID)

昨日のコラムの続きです(^_^;)

ICタグの普及への警告

EU(ヨーロッパ連合)では紙幣にこのICタグを埋め込むという計画が進んでいると聞きました。単純に偽札作りの防止というわけですが、ICタグは学校の校門とランドセルの関係でも分かるように、非接触式読取が基本です。ICタグは基本的に情報を記憶するICチップとアンテナから構成されていますが、このアンテナの大きさを大きくしたり読取装置の感度を上げる事で相当離れていても読取ることが出来るようです。

しかもICタグはRFID(Radio Frequency-Identification:電波方式認識)と言われるように完全に電波(無線通信)によるデータ交信である。要するに見えてなくてもいいのである。財布の中に500ユーロ(これが最高額紙幣である)が100枚入っている人が歩いているとする(実際には日本円で700万円近くになるので持ち歩いている人は少ないと思うが)。この人にセンサをかざせば一瞬にしてこの人の所持金が分かるのである。ドウ思いますか?「私はこんな大金を持ってウロウロしてます」ってアナウンスしながら歩いているようなものではありませんか?

あと、これは日経新聞の記事で読んだものだと思うが、スーパーに夕食のおかずを買いに行ったとしよう。ショッピングカートを押しながら買い物を始める、最初に牛肉をカートに入れ、焼き豆腐、糸コンニャクを入れ、生卵を入れ、長ネギを買おうと野菜コーナーに進むと、そこに設置してあるセンサがカートの中の品物のICタグをスキャンして、この人は今夜「スキヤキ」を作ろうしていると分析するのである。その次のタイミングで今日の大量に用意した『春菊』が在庫として残りそうと判断して、ショッピングカートに埋め込んであるスピーカから「本日特売『春菊』が今なら3割引」とかアナウンスするわけある。何ならこの人だけに『春菊』を30%オフにするということも可能だろう。

もっとも特定の商品を特定の個人だけに特価を設けるためには、RFIDを書き換える装置(ライタ)を店頭に設置するか、商品の組み合わせによってレジに自動的に割り引くロジックの組み込みが必要であるが・・・。

これに似たようなことは実際にネットでの買い物やビデオレンタルの店では行なわれている。〜割引ではなく「お薦め商品」〜例えば書籍のネットショッピングはある本をショッピングカートに入れると「この本の購入者は他にこんな本を購入しています」と表示され過去の傾向を分析して提示する。ネットだから良いが現実に店で例えば「アダルトビデオ」レンタルしたときに、傾向を分析されて、「こんなビデオは如何でしょう」って他のビデオ提示されたらイヤですよね(笑)。

確かに便利で良いじゃないのって思われる人もいるかも知れないが、そこまで監視され機械に指示されるのは如何であろうか。