A.D.とB.C.

ご存知のようにA.D.は紀元(西暦)を表す略号である。ラテン語で「Anno Domini」(「主の年に」の意)で文字通りキリスト生誕の年と言えます。一つの宗教が世界標準となっているんですね。

ちなみにB.C.は「Before Christ」の略であり、英語です。

色々調べてみると、英語圏以外では他の略号もあるようですが、何故紀元後が「ラテン語」で紀元前が英語なのか?逆なら分かりますが・・・。

結構面白いエピソードがあるようです。

6世紀ごろ、ローマのキリスト教徒がキリストを紀元とした西暦という概念を作り(このころは「ローマ帝国」が栄えており公用語ラテン語)歴史を克明にかつ客観的に記録出来るように、諸書にA.D.何年と記載するようになり、15世紀に一般化したようです。

この後、「キリスト教」の布教活動を世界各国にはじめるわけですが、中国などに来てびっくり(笑)キリスト生誕よりも2000年も前の歴史(中国4000年の歴史)が克明に記録されている。これを正確に表すためには、キリスト生誕より前の概念が必要になり、「紀元前」をいう概念を作らざるを得なくなった。

それが17世紀である、17世紀と言えばイギリスが「大英帝国」を全世界に築き始めたころであり、英語のB.C.「Before Christ」が使われたというわけだそうだ。